箱根の未来を創る 持続可能な観光への挑戦2025

中長期の主要な取組

地域の現状・目指す姿から導出されたギャップは、事業者における理解不足及び”食の資源循環”実践に向けたノウハウ不足であるため、以下の取組の柱を設定する。

町内事業者の機運醸成 町内事業者が食の資源循環スキームへの理解を深め、推進に向けた機運醸成を図る
「食の資源循環」スキーム確立 食の資源循環実現に向けた、各種課題解決を図り、運用モデル・スキームの確立を図る
計画的な取組の推進 作成したロードマップに基づき、適切な進捗管理を行うとともに、必要に応じてロードマップを更新する

本年度事業の目的と取組

“食の資源循環”実装に向け、具体的な課題解決手法の開発と参加意識の醸成を図り、ロードマップの実現可能性を高める

  1. 観光客への意識調査を実施し、その結果を関係者への啓発活動に活用する
  2. 施設見学や観光カンファレンス等の情報共有の機会を提供し、関係者の参加機運醸成を図る
  3. 前年度の課題を踏まえ、参加施設・運搬業者・運搬方法などを見直した拡大実証調査を実施し、現実的な運用モデルを確立する

1.観光客の声を活用した地域内合意形成の促進

観光客への調査を実施し、分別回収の受容性や誘客への影響を把握する。調査結果は、町内事業者への啓発活動に活用し、 “食の資源循環”スキームの構築・実装に向けた機運醸成を図る。

【成果】

  1. 「箱根DMO食品リサイクル循環プロジェクト」に対する評価について、国内外ともに71%以上が”とても良いと思う”と回答
  2. 事業者向けアンケートにて71%が本事業への参加意向を明示

【残った課題】

今年度参加事業者を除く、新たな9社の事業者が本事業への参画意向を示している結果は取れたが、全体数に対してアンケートの回答数が少ないため、次年度以降の取組に巻き込むための周知の強化が喫緊の課題である

【今後の取組方針】

  • 本事業内容の周知の拡大(カンファレンス、DMOだより等)
  • 町や議会を通しての発信、旅館ホテル協同組合など、組合を通じてた広報活動の周知

2.前年度課題に基づく解決策の実証実験

昨年度実証調査で明らかになった「コスト」「狭路・距離」「安定した運搬体制の構築」の課題解決に加え、実際の運用モデルに近い運用に挑戦する実証調査を実施する。

【成果】

検証ポイントを踏まえて、約2週間の実証実験を完遂。コスト面では約30%の削減効果可能性が明らかとなっており、事業者の負担軽減を実現

【残った課題】

運搬コスト 効率化・標準化・費用負担の設計
輸送距離 保管場所・車両仕様・少量排出者対応
体制 複数社運搬・動線整理・容器管理・分別教育

【今後の取組方針】

  • 下記に重点をおいた実証調査の継続・拡大
  • 集約運搬スキームの再構築(保管場所・車両仕様の見直し)
  • 町内回収の効率化(置き場集約、ルート最適化、少量排出者対応)

3.ロードマップの更新

地域内合意形成の推進および実証調査の結果を踏まえ、昨年度作成したロードマップを更新(期間を5年に延長)し、計画的な取組を推進し、実装に向けた実現可能性を高める。

【成果】

実証実験を踏まえて、令和10(2028)年度を目標年度として3ヵ年ロードマップを更新。行政や運搬業者等の本事業の実装に関わる主要関係者と密に連携を行い、ロードマップに基づいた具体的な取組の推進に向け調整中

【残った課題】

  • 参加事業者拡大に向けた啓発活動の継続
  • 実証実験の継続と拡大
  • 上記に必要な資金の調達
  • 箱根町の各種計画との整合性調整

【今後の取組方針】

  • 箱根町環境課との協議を本格化
  • 環境省、農水省等の補助事業活用検討
  • 拡大実証実験と事業者向け啓発活動の継続

次年度以降の取組方針

■JSTS-Dを活用した自地域のアセスメント結果と優先課題

廃棄物(関連指標:D11.①)

今後も引き続き参画事業者の裾野を広げるとともに、参画施設数および参画エリアの拡大を図りながら、2028年度の本格実装を見据え、段階的かつ継続的に実証実験を実施していく予定である。


実証実験により抽出された課題に対しては、検証・分析を行い、その結果を踏まえた対応策を講じることで、PDCAサイクルに基づいた実効性ある取組を継続的に推進する。

事業者における持続可能な観光への理解促進(関連指標:A5)

実証調査の結果及び観光客アンケートの公表を通じて、地域内関係事業者の理解促進と取組への機運醸成を図り、将来的な本格実施に向けた円滑な導入体制の構築を目指す。

モニタリングと成果の公表(関連指標:A3)

本事業の進捗および成果については、箱根町広報媒体(広報紙、ホームページ等)を活用した周知に加え、箱根町議会における報告などの情報発信を通じて、町民全体への理解促進と機運醸成を図る。


ホテル旅館協同組合、商工会議所、飲食店組合など、地域の主要産業団体と連携し、本事業の趣旨・進捗・成果に関する情報提供を継続的に行い、事業の理解促進および新たな参画事業者の発掘・裾野拡大を目指す。

■今後の3か年で目指す地域の姿

令和10年度より、箱根町内の複数エリア40施設以上の参画による食品リサイクルスキームが実装され、“食の資源循環スキーム”実現に向けた観光資源としての取組活用の検討が開始されている状態を目指す