箱根十七湯
〜箱根が持つ天与の恵み〜
宮ノ下温泉
~箱根発展の先駆的温泉~
宮ノ下の地名は、熊野神社のお宮の下に開けたことに由来します。熊野は「ゆうや」とも読み、「湯屋」すなわち温泉の神として古くから信仰されてきました。その宮ノ下に自然湧水が初めて発見されたのは、室町時代の応永5年(1398)です。江戸時代には大名の奥方や豪商などが温泉場を訪れ、内湯と滝湯(打たせ湯)による湯治を続けました。当時創業の藤屋(富士屋ホテル)は現在も残っています。明治時代になると外国人の保養地として栄え、それらの旅館が建築や設備、温泉の質と量、接客サービスなどで箱根の温泉文化をリードしました。
今日、「宮ノ下」と言うとすぐに思い浮かぶのは「箱根駅伝」ではないでしょうか。胸突き八丁の急坂を駆け上がるランナーの姿とともに、宮ノ下の名は全国に知られています。宮ノ下ではそんな険しい坂道とは別に、周辺をぐるりと回遊する散歩道も。通る道によっては風景が変わり、そこにまた新しい楽しみと出会いが生まれます。
ノスタルジックな街
江戸時代より箱根七湯のうちの、四つの温泉場(宮ノ下・底倉・木賀・堂ヶ島)がある地として慕われてきましたが、明治時代に入り富士屋ホテルが出来るとともに、外国人旅行客が増え、東海道(現 旧道)の裏街道として使われていた七湯道(現国道1号線)の道幅の拡張を行い車も通れるような道になりました。また、街並みも同じように、明治・大正期の建物が多く残っており、当時は新しい感覚の街でしたが、今では古い感覚の雰囲気が残り、それが今のノスタルジックな宮ノ下を演出しているのかもしれません。
太閤石風呂
豊臣秀吉が小田原城を攻めた際に入湯した温泉とされています。この石風呂にちなんで名付けられたのが「太閣の滝」で、遊歩道から散策をしながら眺められます。
※現在は温泉として立ち入ることはできません。
温泉の特徴
泉質 | 単純温泉、アルカリ性単純温泉、ナトリウム─塩化物泉(弱食塩泉) |
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源泉総数 | 21 |
泉温 | 24〜96℃ |
湧出量 | 1,999ℓ/min |
アクセス
箱根湯本から箱根登山鉄道で22分「宮ノ下」下車
箱根湯本から湖尻・桃源台行きバスで「宮ノ下温泉」下車