季節によって表情を変える箱根の彩り

箱根のすすき草原の楽しみ方

標高約700mにある仙石原。秋が深まるにつれて箱根ではススキが見頃を向かえます。
台ケ岳の北西の山裾に広がるすすき草原は、『神奈川の花の名所100選』・『かながわの景勝50選』に選ばれている有名なススキの名所として知られています。秋晴れの空の下で輝くススキの美しさは圧巻。太陽の光に輝き風の行方になぞられ、箱根の雄大な自然も相まって幻想的な景色が広がります。
斜面を覆い尽くす様に広がるすすき草原の中央には散策することができる遊歩道があり、背丈を超えるほどのススキの穂に囲まれた幻想的な景色も楽しむこともできます。
近くにはスイーツ、おいしい食事、温泉などが楽しめる施設もあり、自然の雄大さと箱根ならではの魅力をたっぷりと楽しむ事が出来ます。秋晴れの空の下、心地よい仙石原高原の風を感じながら、ススキから始まる秋の箱根をお楽しみください。

四季折々の魅力に溢れるすすき草原

【春】 初春に行われる山焼きでは、大きな炎が草原一面を焼き尽くします。
【夏】山焼きで黒焦げた芽も、夏には成人男性の身長ほどの高さまで成長します。
【秋】辺り一面に敷き詰められたススキの群れは、まるで金色の絨毯のようです。
【冬】数年に一度、積もるほどに降る雪は一面を別世界に変えてくれます。

すすき草原は見頃を迎える秋以外にも、実は季節毎に見所がたくさん。美しさを保つため初春には山焼きが行われ、夏の間に見事な緑の絨毯をつくり、秋には銀色の穂が風に揺れ、10~11月にかけて山裾が徐々に黄金色から銀色に染まって行くのがゆっくりと楽しめます。

金色に輝く秋の尾花「ススキ」

ススキは、「芒・薄」と漢字で表されるイネ科の植物。穂のところが動物 のしっぽに似ていることから「尾花(おばな)」とも呼ばれ、屋根の材料として「茅・萱(かや)」とも呼ばれています。 更に、秋の七草の一つで、万葉集で『萩の花 尾花 葛花 撫子の花 女郎花(おみなえし) また藤袴 朝顔の花』と詠われています。

夕焼けにあたるすすきはまさに「金色に輝く秋の尾花」

遊歩道からの景色はまた違う表情を楽しめる

金時山から見た仙石原のすすき草原。建物と比べるとその広大さが伺える

歴史

もともとは、芽葺き屋根用の茅(かや:すすき)を栽培する茅場でした。仙石原は江戸時代まで「千石原村」という地名で、当時この一帯は、樹木もない広大な草原が広がり『ここを開墾すれば千石もの穀物が穫れるだろうということから名付けられた』と言う説もあります。しかし、実際は火山灰土壌と湿地のため、千石の穀物は難しく、この土壌に適した茅を育てていた歴史があります。

穂が無くなり茅となった冬のススキ

山焼きにより保たれている美しさ

すすき草原は放置しておくと樹木が侵入して雑木林になってしまうため、平成元年(1989年)から毎年3月、風の無い日を選んで山焼きが行われています。1970年から火入れをしない時期が続いたため雑木に覆われてしまったこともあったようですが、今では山焼きのおかげで昔ながらの自然体系が復活し、美しいすすき草原を楽しむことができています。

炎が燃え広がる様子

地元消防団や地域の方など、沢山の人々の力と想いで美しさが保たれている

焼け野原となったすすき草原。ここからまた新たなすすき草原に生まれ変わる

アクセス

公共機関で

電車の場合 箱根湯本駅より箱根登山バス(湖尻・桃源台行き)約30分。バス停「仙石高原」下車

自動車で

小田原方面より 国道1号線を箱根湯本より宮ノ下方面へ。宮ノ下交差点から国道138号線へ入り 仙石原方面へ。仙石原交差点を左折し、県道75号線を元箱根方面へ道なりに進むとすすき草 原です。
御殿場方面より 東名御殿場ICより国道138号線へ箱根方面へ。仙石原交差点を右折し、道なり に進むとすすき草原です。

仙石原をもっと詳しく知りたい方はこちら




 

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